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コラム

気になる布チェーンの性能とは?金属チェーンとのデータ比較

気になる布チェーンの性能とは?金属チェーンとのデータ比較

「うーん、最近よく『ISSEスノーソックス』っていう布製のタイヤチェーンを見かけるけど、本当に大丈夫なのかな?確かに取り付けが簡単そうだし、金属チェーンみたいにガタガタ音がしないのは魅力的。でも、布でしょ?雪道や凍った道路でしっかりグリップできるのか、ちょっと心配だなぁ。

それに、耐久性はどうなんだろう。金属チェーンなら何度も使えるイメージがあるけど、布製だとすぐに破れちゃいそうな気がする。長距離ドライブとか、本当に大丈夫なのかな?

正直、興味はあるんだけど『これで本当に安心して走れるのか?』っていう疑念が拭えなくて、なかなか手を出せずにいるんだよね。。。。。」

このようにお考えの方は多いのではないでしょうか?

確かに、布製チェーンと聞くと「すぐに破れてしまうのでは?」「雪道で滑りやすいのでは?」という不安が浮かぶかもしれません。しかし、布製タイヤチェーンは、徹底した技術革新と素材開発によって、金属チェーンと遜色ない耐久性・性能を実現しています。さらに、金属チェーンにはない「静音性」「乗り心地の良さ」「取り付けやすさ」といった利便性も兼ね備えています。

この記事では、布製タイヤチェーンと金属チェーンをさまざまな側面から徹底比較し、それぞれの強みや弱み、そして実際の使用感について詳しく解説します。

ISSEスノーソックスと金属チェーンの性能比較

1. 加速性能の比較

2017年に実施されたONORM(オーノーム)認証テストでは、ISSEスノーソックスと金属チェーン(LaClede1030)の加速性能が比較されました。テストは、雪道において50mの加速時間を測定する形で行われました。

  • シボレークルーズ を使用したテストでは、ISSEスノーソックス装着時の平均加速時間は7.47秒、LaClede1030装着時の平均加速時間は7.6秒でした。
  • BMW Z4 を使用したテストでは、ISSEスノーソックス装着時の平均加速時間は7.067秒、LaClede1030装着時の平均加速時間は7.1秒でした。

これらの結果から、ISSEスノーソックスは雪道における加速性能において、金属チェーンと同等またはわずかに優れた性能を示すことが分かります。

ONORM認証テストは、オーストリア規格協会(Austrian Standards Institute)が策定した規格に基づいて行われる製品テストです。 ISSEスノーソックスは2017年に ONORM認証テスト を受けており、そのテストでは金属チェーンとの性能比較が行われました。

具体的には、以下の項目がテストされています。

  • 加速度テスト: 雪道において50mの加速時間を測定
  • 制動テスト: 雪道とアイスバーンにおいて、時速30kmからのブレーキングを行い、静止までの時間と距離を測定
  • トラクションテスト: 雪道において、時速10〜30kmでのトラクション値を測定
  • 耐久性テスト: スノーソックスを非駆動輪に装着し、平均速度時速50kmで登り坂、下り坂、スラロームを含むアスファルト路面を2.5時間走行し、摩耗度を測定

これらのテスト結果から、ISSEスノーソックスは金属チェーンと同等以上の性能を持つことが証明されました。

2. 制動性能の比較

ONORM認証テストでは、制動性能についても雪道とアイスバーンで比較が行われました。テストは、時速30kmからのブレーキングを行い、静止までの時間と距離を測定する形で行われました。

雪道

  • シボレークルーズ を使用したテストでは、ISSEスノーソックス装着時の静止までの平均時間は2.13秒、平均制動距離は8.9mでした。一方、LaClede1030装着時の静止までの平均時間は1.9秒、平均制動距離は8.87mでした。
  • BMW Z4 を使用したテストでは、ISSEスノーソックス装着時の静止までの平均時間は2.97秒、平均制動距離は12.6mでした。一方、LaClede1030装着時の静止までの平均時間は3秒、平均制動距離は12.87mでした。

アイスバーン

  • シボレークルーズ を使用したテストでは、ISSEスノーソックス装着時の静止までの平均時間は2.2秒、平均制動距離は9.17mでした。一方、LaClede1030装着時の静止までの平均時間は2.27秒、平均制動距離は9.73mでした。
  • BMW Z4 を使用したテストでは、ISSEスノーソックス装着時の静止までの平均時間は2.63秒、平均制動距離は11.37mでした。一方、LaClede1030装着時の静止までの平均時間は3.2秒、平均制動距離は13.2mでした。

これらの結果から、ISSEスノーソックスは雪道およびアイスバーンにおける制動性能において、金属チェーンと同等またはわずかに優れた性能を示すことが分かります。

3. トラクション性能の比較

ONORM認証テストでは、トラクション性能についても雪道で測定されました。テストは、時速10〜30kmでのトラクション値を測定する形で行われました。

  • シボレークルーズ を使用したテストでは、ISSEスノーソックス装着時の平均牽引力は2567N、LaClede1030装着時の平均牽引力は2417Nでした。
  • BMW Z4 を使用したテストでは、ISSEスノーソックス装着時の平均牽引力は3467N、LaClede1030装着時の平均牽引力は3433Nでした。

これらの結果から、ISSEスノーソックスは雪道におけるトラクション性能において、金属チェーンを上回る性能を示すことが分かります。

4. 耐久性の比較

スペインの第3者機関(技術研究所LEITAT)が実施した耐摩耗性テストでは、ISSEスノーソックス(SUPER)は700回転まで耐えたのに対し、ノルウェー製の布製タイヤチェーンは200回転で破損しました。 この結果から、ISSEスノーソックスは他社製品と比較して約3.5倍の耐久性を持つことが証明されました。

また、ONORM認証テストでは、ISSEスノーソックスを非駆動輪に装着し、平均速度時速50kmで登り坂、下り坂、スラロームを含むアスファルト路面を2.5時間走行する耐久性テストが実施されました。テストの結果、スノーソックスがタイヤからずれることはなく、摩耗はトレッドの10%にとどまりました

5. 総合的な比較

上記の結果に加え、 に示されているスノーデバイス比較表から、ISSEスノーソックスは金属チェーンと比較して以下の利点を持つことが分かります。

  • 利便性(装着・着脱): スノーソックスは金属チェーンよりも装着・着脱が容易である。
  • 快適性: スノーソックスは金属チェーンよりも走行時の振動や騒音が少ない。

結論

ISSEスノーソックスは、金属チェーンと比較して、加速、制動、トラクションといった雪上および氷上での走行性能において同等以上の性能を持つことが、ONORM認証テストやLEITATの耐摩耗性テストの結果から示されています。また、装着の容易さや快適性といった点でも、金属チェーンよりも優れている点が挙げられます。

 

ISSEスノーソックスと金属チェーンの性能比較

ISSEスノーソックスと金属チェーンの性能比較データを以下の表にまとめました。

テスト項目 車種 ISSEスノーソックス 金属チェーン (LaClede1030)
加速性能(雪道)
平均加速時間 (秒) シボレークルーズ 7.47 7.6
平均加速時間 (秒) BMW Z4 7.067 7.1
制動性能(雪道)
静止までの平均時間 (秒) シボレークルーズ 2.13 1.9
平均制動距離 (m) シボレークルーズ 8.9 8.87
静止までの平均時間 (秒) BMW Z4 2.97 3
平均制動距離 (m) BMW Z4 12.6 12.87
制動性能(アイスバーン)
静止までの平均時間 (秒) シボレークルーズ 2.2 2.27
平均制動距離 (m) シボレークルーズ 9.17 9.73
静止までの平均時間 (秒) BMW Z4 2.63 3.2
平均制動距離 (m) BMW Z4 11.37 13.2
トラクション性能(雪道)
平均牽引力 (N) シボレークルーズ 2567 2417
平均牽引力 (N) BMW Z4 3467 3433
耐久性
耐摩耗性 (回転数) - 700 (SUPER) 200 (他社製品)
アスファルト走行後 の摩耗度 - トレッドの10% -

表注

  • 数値は、2017年実施のONORM認証テストおよびスペインの技術研究所LEITATが実施した耐摩耗性テストの結果に基づいています。
  • 耐久性テストは、ISSEスノーソックスを非駆動輪に装着し、平均速度時速50kmで登り坂、下り坂、スラロームを含むアスファルト路面を2.5時間走行する条件で実施されました。

結論

表の結果から、ISSEスノーソックスは金属チェーンと比較して、加速、制動、トラクションといった雪上および氷上での走行性能において同等以上の性能を持つことが分かります。また、他社製品との比較では、3.5倍の耐久性を持つことも示されています。

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